親子関係研究のこれから:家族の多様性をふまえた“新しい家族関係学”とは/石狩

mumiota

日本の家族関係研究は「標準家族」からの転換期へ

 近年、日本における家族研究は大きな転換点を迎えています。
 これまでの研究は、「父・母・子」からなる“標準的な家族モデル”を前提としていました。
 しかし実際には、

  • 共働き家庭
  • シングルペアレント家庭
  • 再婚家庭やステップファミリー
  • 祖父母と孫世帯
  • 多文化・多背景の家庭

 など、家族の姿は年々多様化しています。

 そのため、家族関係学もまた 新しい家族のかたちを前提にした研究へ進む必要がある と文献は指摘します。

親子関係は「一方向」ではなく“相互作用”として理解されはじめた

 従来の親子研究では、親 → 子どもの発達という“一方向の影響”が強調されていました。

 しかし現在では、次のような 双方向のプロセス に注目が集まっています。

  • こどもの気質が親のかかわり方を変える
  • 親の心理状態がこどもの行動に影響する
  • 家族内の雰囲気が双方に作用する

 つまり、「親が子を育てる」だけでなく、「子も親を育てる」という視点が重視されているのです。

家族のストレスと親子関係は切り離せないテーマに

 社会の変化にともない、研究の関心は「親子だけの関係」からさらに広がっています。

たとえば、

  • 育児ストレス
  • 夫婦関係の質
  • 経済状態
  • 社会的孤立
  • 家庭の心理的安全性

 など、家族全体に関わる要因が 親子の関係性に深く影響している という研究が増えています。

 この背景から、家族を一つの“システム”として見る 家族システム論的視点 が重要になっていると述べられています。

こどもを「一人の人間として尊重する」研究へ広がる

 文献では、こどもを単に“養護される存在”としてではなく、

  • 一つの意見を持つ存在
  • 行動に主体性をもつ存在
  • 家庭の中で役割を果たす存在

として尊重する研究が広がっていることが示されています。

これは、近年の「子どもの権利」への社会的意識の高まりとも一致しています。

今後の親子研究の方向性:多様性と対話を土台に

 文献は、今後の課題として次のような方向性を挙げています。

  • 家族の多様性を前提とした研究
  • 地域性・文化をふまえた分析
  • こどもの声を丁寧に取り入れる研究
  • 親・子・家族全体を支援する視点
  • 相互作用としての親子関係の理解

 つまり、「昔ながらの家族像」を前提にする研究では、現代の家族を十分に捉えられないというメッセージが込められています。

“家族をどう見るか”を問い直す時代へ

冬木氏の文献が伝える最大のテーマは、

 これまでの家族観の枠を越え、より柔軟で多様性を尊重した家族研究が必要であるということです。

 また、親子関係は単に「育てる・育てられる」という関係ではなく、互いに影響し、共に変化しながら成長していく“相互作用的な関係”

 その視点が、これからの家族研究を支える重要な土台となると述べられています。

 さいごまでお読みいただき、ありがとうございます。

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mumi
“なんでも自分でやらなきゃ!”と無理に笑って、がんばりすぎて、きづけばこころもからだも限界に…。ささいなことにも、すぐいらいらしてしまっていた。“ほんとは笑顔でこどもたちと過ごしたい”。その想いから、無理する自分をすこしづつ解放し、楽に、心地よく、自分らしく生きることをたいせつにしてきた。こころとからだの土台を整えて、こころからのやさしい笑顔でいられる自分になる。自分を好きになるために、こころとからだの声に耳を傾け、心地いい自分でいられるためにたいせつな想いをブログに紡いでいく。
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