原始反射とこころのつながり|こどもの落ち着き・いらいら・不安の背景にある“からだのサイン”とは?/石狩

原始反射と心のつながり
— からだの発達と、こころの安心のおはなし —
こどもの「落ち着きがない」「いらいらしやすい」「集団に入るのが苦手」そんな姿を見ると、つい心配になってしまいますよね。
でも実は、これらのなかには“こころの問題”だけでなく、からだの発達のサインが隠れていることもあるんです。
それが「原始反射(げんしはんしゃ)」と呼ばれる、赤ちゃんのころにだれもがもっている“自動反応”です。
原始反射ってなに?
赤ちゃんは、生まれたときから「生きるための反射」をたくさん持っています。
たとえば、
- 大きな音でびくっと手を広げる(モロー反射)
- 指を握るとぎゅっと握り返す(手掌把握反射)
- 顔を向けた方向に手足を伸ばす(ATNR)
これらは、まだ脳が未発達な時期に、体を守り、成長を助けるための自然な反応なんです。
成長とともに、脳が発達していくとこの反射は“消えて”いき、「自分の意志で動く力」へと変わっていきます。
でも…残ってしまうことがある
ところが、発達の途中で、この原始反射が完全に消えずに残ってしまうことがあります。
それは決して「悪いこと」ではありません。
でも、残っていると脳やからだが常に「無意識に反応している」状態になります。
つまり、からだがリラックスしたくても、つねに“危険を感じている”ような緊張モードになってしまうんです。
からだの緊張は、こころの緊張にもつながる
からだとこころは、いつもつながっています。
たとえば、
- 体がかたくなると、呼吸が浅くなる
- 呼吸が浅いと、気持ちが焦りやすくなる
- 緊張が続くと、いらいらや涙が出やすくなる
これは、自律神経(リラックスと緊張のバランスをとる神経)が乱れてしまうから。
原始反射の残りによる体の無意識な緊張が、そのまま心の不安定さにつながることもあるんです。
まずは「整える」ことから
もしお子さんが「落ち着かない」「こだわりが強い」「集中が続かない」と感じたら、「どうしてできないの?」と責めるのではなく、“体がまだ準備中なんだ”と思って見守ってみてください。
おうちでできることも、たくさんあります☘️
- ブランコでゆらゆら遊び
- 布団の上でごろごろ転がる
- ハグやマッサージで安心を届ける
- 深呼吸をいっしょにする
こうしたやさしい刺激が、すこしずつからだの感覚を整え、脳の「安心スイッチ」を育ててくれます。
さいごに
こどもを整える前に、まずあなた自身の“こころとからだ”も整えてほしい。
あなたが安心して自律神経が整っていると、その安心は波紋のように広がって、こどもにも伝わります。
焦らなくて大丈夫。
こどもの発達は、日々のあそびや、笑顔のなかでゆっくり育っていきます。
「できるようにさせる」よりも、「安心して育っていける環境をつくる」。
そのやさしいまなざしこそが、いちばんの発達支援なんです🌿
さいごまでお読みいただき、ありがとうございます。