「愛着のかたち」が大人のコミュニケーションに影響する──自分の心の土台を知ると、生きるのが少し楽になる/石狩

こどもの頃に育つ「心の地図」──内的作業モデルとは?
わたしたちが
「ひとを信じていいのか」
「助けてと言ってもいいのか」
「愛される存在なのか」
そう感じられるかどうかは、実は幼少期の経験によってつくられる“内的作業モデル(心の地図)”に大きく影響されていると言われています。
これは、愛着理論のなかでたいせつにされている考え方で、自分はどう扱われる存在なのか、人は信頼できるのか、という “心の土台” のようなもの。
この土台は、人生のあらゆる場面で顔を出します。
- 友人や家族との関係
- パートナーとの距離感
- 自信の持ちやすさ
- 助けを求められるかどうか
- 人とのつながりを心地よく感じられるか
おとなになってからのコミュニケーションやソーシャルスキルにも、深く関わっているのです。
愛着スタイルによって、人との関わり方は変わる
研究では、大きく3つの愛着傾向が示されています。
安定型──人を信頼しやすい、自己肯定感が育ちやすい
こどもの頃に「安心して甘えられた」経験が多いと、おとなになってもひとと関わることに自然な安心感を持ちやすくなります。
回避型──自分のことを後回しにしがち、人に頼れない
幼少期に気持ちを受け止めてもらえなかった経験が多いと、「自分でなんとかしなきゃ」という思いが強くなりがち。
まさに“がんばりすぎてしまう女性”に多いタイプです。
葛藤型(不安型)──愛されたいけど不安も強くなる
一貫しない関わり方の中で育つと、
「見捨てられたらどうしよう」
「嫌われたかも」
と不安が強くなり、対人関係が苦しくなることがあります。
愛着が“ソーシャルスキル”にもつながっていく理由
たいせつのは、愛着は、その後の人との関わり方の練習の土台になるということ。
安心して甘えられたり、気持ちを受け止めてもらえた子は、“ひとと関わることは大丈夫”という感覚を育てながら、自然とコミュニケーションが上手くなるのです。
逆に、幼少期に安心できなかった場合は、ひととうまく距離を取れなかったり、頼れなかったり、必要以上に頑張りすぎることが増えるかもしれません。
でもそれは、あなたの性格のせいではなく、ただ 「心の地図」がそう教えているだけ。
大人になっても、愛着は“更新”できる
愛着理論は、ただあなたの生きづらさを説明するためだけのものではありません。
最大の希望は、おとなになってからでも“心の地図”は書き換えられるということ。
- 安心して話せる相手を持つ
- 否定されずに気持ちを受け止めてもらう体験
- ちいさな「助けて」を言ってみる
- たいせつに扱われる経験を積む
こうした積み重ねが、すこしずつあなたの心を緩め、「人を信じてもいいのかも」と感じられるようになるのです。
がんばりすぎてしまうあなたへ
「ひとを頼れない」
「嫌われるのがこわい」
「いつも頑張りすぎてしまう」
そんなあなたの生きづらさは、弱さではありません。
こどもの頃に、一生懸命、ひとりで乗り越えようとしたあなたの強さでもあります。
だから、自分を責めなくていい。
“心の地図”は、安心できる誰かとの出会いや、あたたかい経験で、いつからでも書き換えられるからね🌿
さいごまでお読みいただき、ありがとうございます。

