自尊心が高いのに苦しい理由|防衛的な自己肯定感と“ほんとうの安心感”の育て方/石狩

「強くあろう」とするほど、心が揺れてしまう理由
「もっと自信を持てたら、楽になれるのに」
「自尊心が高いひとは、こころも安定しているはず」
そんなふうに思ったことはありませんか?
でも実は、心理学の研究では、自尊心が高い=心が安定しているとは、必ずしも言えないことがわかってきています。
むしろ、がんばりすぎている女性ほど、
「自尊心を保とう」とすることで、知らず知らずのうちにこころを緊張させてしまうこともあるのです🌿
自尊心には「2つの種類」がある
心理学では、自尊心を次の2つに分けて考えます。
顕在的自尊心(けんざいてきじそんしん)
これは、「自分は価値のある人間だと思う」と自覚している自己評価のこと。
質問紙などで測られ、頭で考えた「わたし像」に近い自尊心です。
潜在的自尊心(せんざいてきじそんしん)
こちらは、無意識の深いところにある自己評価。
反応時間などを使って測定され、本人も気づいていない「自分への感情」が含まれています。
この2つは、必ずしも同じ高さとは限らないのです。
「防衛的な高自尊心」という状態
研究で注目されたのが、顕在的自尊心は高いけれど、潜在的自尊心が低い人。
このタイプのひとは、表では「自分は大丈夫」と思っていても、内側には不安や自己否定を抱えている状態。
そのため、
- 否定されると強く反応してしまう
- 自分を守るために攻撃的・防衛的になる
- 「正しさ」にしがみつきやすい
そんな傾向が見られました。
これは弱さではなく、一生懸命、自分を守ってきた結果なのかもしれません🌱
内集団ひいきが強くなる理由
この研究では、奨学金やアルバイト代などの分配場面で、「自分と同じグループをどれだけ優遇するか」を調べました。
結果は、顕在的自尊心が高く、潜在的自尊心が低い人ほど、内集団ひいきが強くなるというもの。
こころの奥で不安定さを抱えていると、「仲間」「身内」を守ることで、自分の価値を保とうとするのです。
がんばりすぎてしまう女性へ
「もっと自信を持たなきゃ」
「強くならなきゃ」
そうやって自分を奮い立たせるほど、こころが苦しくなることもあります。
でも本当に必要なのは、自尊心を高く盛り上げることではなく、
「揺れても大丈夫な自分」
「できない日があっても、ここにいていい自分」
そんな静かで安定した自己受容なのかもしれません🌿
本当の自己肯定感とは
- 自尊心には「意識的」と「無意識」の2つがある
- そのズレが、人との関わり方に影響する
- 高く見せる自信より、安心できる自己受容がたいせつ
がんばりすぎなくていい。
強くあろうとしなくていい。
すこしずつ、自分の内側と仲直りしていくことが、本当の心地よさにつながっていくのだと思います🕊️
さいごまでお読みいただき、ありがとうございます。

