親の関わりでこどもの将来は決まる?生活時間データからわかる家庭環境と教育格差の本当の影響/石狩

親の関わりは、こどもの未来を決めるの?
― 生活時間の研究から見えてきたこと ―
「親の関わり方で、こどもの将来は決まる」
そんな言葉を耳にすると、すこし不安になることはありませんか?
もっと関わらなきゃ。
ちゃんと見ていなきゃ。
そんなふうに、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
今回ご紹介する研究は、こどもの1日の過ごし方(生活時間)に、家庭の社会階層や親の行動がどのように関係しているのかをデータから分析したものです。
こどもの生活時間には「家庭背景」の差がある
研究では、総務省の「社会生活基本調査」という大規模データを使い、親とこどもの1日の行動を15分単位で分析しています。
その結果、家庭の社会経済的地位(いわゆるSES)が高いほど、
・勉強の時間が多い
・テレビやスマホなどのメディア時間がすくない
という傾向が見られました。
つまり、こどもの日常の過ごし方には、家庭背景による“差”が存在していることが示されたのです。
では、親の関わり方がその差をつくるの?
ここが、とてもたいせつなポイントです。
研究では、「社会階層の違いが、親の関わり方を通してこどもの行動差を生んでいるのではないか?」という仮説を検証しました。
しかし分析の結果、
親の関わり方は、社会階層とこどもの行動差をつなぐ“媒介要因”にはなっていない
ことがわかりました。
つまり、「親の関わり方がわるいから差が生まれている」という単純な話ではなかったのです。
それでも、親の行動は影響している
一方で、もうひとつ大事な結果があります。
親がその時間帯に何をしているかは、こどもの行動に“直接的な影響”を与えていました。
たとえば、
・親が勉強や読書をしている時間帯には、こどもも学習する傾向がある
・親がテレビを見ている時間帯には、こどももメディアに触れやすい
という関連が見られました。
これは、「言葉で教える」よりも、親の背中がこどもに影響を与えている
ということかもしれません。
親が完璧である必要はない
この研究から見えてくるのは、
✔ 家庭背景の影響は確かにある
✔ でも、それをすべて親の努力の問題にすることはできない
✔ 日常の行動は、自然なかたちでこどもに伝わっている
ということです。
だからこそ、「ちゃんと教えなきゃ」と気負うよりも、まずは親自身が自分の時間をどう過ごすかをたいせつにすること。
それが、結果的にこどもにも伝わっていくのかもしれません。
こどもに伝わるのは、親の“あり方”
親の不安や焦りも、安心や落ち着きも、日々の暮らしのなかで、静かに伝わっていきます。
こどもを変えようとする前に、自分の毎日をすこし整えてみる。
自分が読書を楽しむ。
自分が学ぶ姿を見せる。
自分がやすむ姿も見せる。
それだけでも、こどもの世界はすこしずつ変わっていくのかもしれません🌿
さいごまでお読みいただき、ありがとうございます。

